低温真空調理器具「Anova」を使う簡単レシピです。以前、豚肉をAnovaで“しっとりポークステーキ”に仕上げました。
今回は、“焼豚”に挑戦してみました。何度か試作してみてわたかったことやポイントをまとめますね。
材料と準備
がっつり豚肉料理をつくるときに買う「Boneless Roast Pork Shoulder」です。オーストラリアのスーパーマーケットでは1キロあたり8ドルです。今回買ったものは2.7キロありました。日本では「豚肩ロース」とよぶようです。
プルドポークをつくるときにも使っている部分です。
2.7キロの豚肉だと大きすぎてAnova用のシリコン製の袋に入りません。1キロ分を切り分けました。調味液がよくしみるように、フォークで数ヵ所さしておきます。
にんにくと生姜、ネギはお好みで適量を用意します。醤油、みりん、お酒、砂糖も使います(分量は最後に記載しています)。
ますは、調味液をつくります。にんにくと生姜はスライス、ネギは適当な長さに切っておきます。醤油、みりん、お酒、砂糖、生姜、にんにく、ネギをすべて一緒に火にかけます。ひと煮立ちさせてアルコールをとばします。
調味液が冷めたら、豚肉と一緒にシリコン製の袋に入れて、できるだけ空気をぬきます(向かって右側)。
何度か試作をしましたが、豚肩肉の脂身と皮部分(オーストラリアの豚肉にはついていることが多いです)を一緒に低温真空調理しても脂が抜けないうえにトロトロになりませんでした。2回目以降は、最初に脂身と皮部分をとりのぞくことにしました。
実験的に、脂身を別の袋で同時に調理したらどうなるのかも試してみました(向かって左側。このときは調味液なしで)。
豚肩肉を低温調理するときの設定温度と時間
豚肉はもちろん、鶏肉でも牛肉でも低温調理する場合に安全は第一ですよね。いろいろと調べて検討し、63度で8時間に落ち着きました。
ちなみに「Sous Vide Basics」というガイド(Anova本体と一緒に送られてきた)には「Pork Chops(50mm)56.5℃ 2-10hours」とあります。今回は塊肉で50mm以上はあるので、これには従いませんでした。
2つの袋を同時に低温調理しているところです。
仕上げにひと手間
こんがりと香ばしい焼豚に仕上げるため、8時間の調理後にバーナーで表面をあぶりました。焼き色がついて、“焼豚”っぽい!
真ん中で切ってみると、こんな感じの火の通り加減です。
袋に残っている調味液を火にかけて、煮つめます。しっかり煮つめていくと、糖分がキャラメル状になり、とろりとした“焼豚のタレ”になりました!
さいごに
安心のためにも63度で調理しています。お肉はしっとりしていて、まったくパサパサしていません。食べごたえのある食感に大満足です。
ほんのりと味がしみているので、タレをかけなくてもいいくらいでしたが、ごはんにのせて食べるときには、あったほうが“焼豚感”をより堪能できると思います。
追記:脂身について
ちなみに脂身ですが、63度で8時間だと、かなりしっかり歯ごたえの残る状態でした。そこから75度まで設定温度を上げ、さらに12時間ほど調理してみました(このときに調味液をもう一度つくっ加えてみました)。すると、やわらかくはなりましたが、期待していたトロトロふわふわにはならず、脂っぽさが残る仕上がりでした。
Anovaで調理すると、脂が抜けきれないことがわかりました。豚の角煮っぽくするためには、別の方法が向いているようです。
今回のように分厚い脂身の層がある部分を使う場合は、とりのぞいてからAnova調理するほうが食べやすく、おいしく仕上がります。