オーストラリアはスクールホリデー真っ最中ですね。2週間ちょっととはいえ、日々の過ごし方を考えるのはけっこう大変。毎日、遊びの予定があるわけでもないし……。
今回は、Queensland Museum(クィーンズランド博物館)の中にある「SparkLab」の魅力をお伝えします。先日訪れたら、予想以上に楽しめました!
4年生の息子にぴったりのアクティビティが盛り沢山で、大満喫。Queensland MuseumとSparkLabの両方で、5時間も滞在したほどです。
近くにあるGOMA(現代美術館)ふくめ、Queensland Museumには息子と何度も足を運びましたが、ここまで「行ってよかったな〜」と思えたのは初めての経験でした。
「SparkLab」とは?
Queensland Museumでは無料で楽しめる展示や常設展、時期によって変わる企画展があり、同じ建物内にSparkLabというスペースがあります。
SparkLabは、「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)」に関するあらゆる体験ができる空間です。対象年齢は6〜13歳で、小学生の興味をひきつけるアクティビティが充実しています。
SparkLabに入場するためにはチケットを購入する必要があります。「Ticket Prices」のページに詳細があるように、午前と午後にわけてあり、それぞれにセッションタイムが設定されています。朝一番の回(9時40分)を買いましたが「次のセッションの10時30分には、でないといけないってこと?」と仕組みがわからないまま出かけました。ちなみに大人が$15.50、5〜15歳の子どもが$12.50です(2022年4月)。
9時30分ごろに着くと、10人以上の親子連れがSparkLabの入り口で待っていました。人数制限もあるようなので、前もってチケットを購入しておくほうが確実です。
結局、午前の部に入場した人たちは12時30分までに退場するという仕組みでした。コロナ対策でしょうか? 午後の部スタートまでに掃除をすると案内していたように思います。次から次にアクティビティを体験し、飽きることがないので、息子とわたしは12時30分ちょうどまで、めいっぱいSparkLabにいました。
「SparkLab」でできること
SparkLabの中には、「Exhibition(個別のアクティビティ)」のほかに「Science Bar」と「Maker Space」があります(Exhibitionの概要はExhibition Guideでチェック!)。
これは”Gravity run”の様子です。どのようにボールが転がるかを考えながら、コースをつくり、何度も試してみます。いろいろなパーツが用意されていて、ボールにかかるエネルギーの変化を観察しようというもの。
それぞれのアクティビティには目的やヒントが書かれたパネルが設置されていて、身近な生活のどういうものと関係があるのか、体験が知識に結びつくよう工夫してあります。
“Gravity run”だと、ローラーコースターにこれと同じ原理があてはまるよ、という感じで。
“Splashes of sound”では、音とバイブレーション、共振の関係について理解していきます。
“Lift a fridge”では80キロの冷蔵庫を持ち上げました。冷蔵庫からの距離が違う位置3ヶ所に、それぞれロープがぶら下がっています。それを引っ張ってみて、どのロープだと冷蔵庫を軽く感じるか? を実際にやってみて答えを見つけようというもの。てこの原理ですね。てこの原理を利用した身近な例として、子どもたちに馴染みあるシーソーについてパネルに書いてありました。
こういう小さなアクティビティが、た〜くさん用意してあります。そして、一つひとつを体験する合間に、Science Barでのショーを見学できます。
Science Barのカウンター横に“What’s happening at the Science Bar”という表示があり、その日のプログラムと時間が表示されています。最初に確認しておくといいです。
わたしたちは9時50分の“Lights, colour, action”、10時45分の“Mix master”、そして11時45分の“Under pressure”、すべてを見学しました。
どれも、15〜20分くらいのショーです。説明がわかりやすく、しゃべりが上手。子どもたちに考えさせる質問を随所に盛り込み、「よくできた内容だな〜」と。わたしだけでなく、子どもを連れてきている親や祖父母など、大人も真剣に見入っていましたよ。
それからMaker Spaceでは、手作業に1時間くらい費やしました。
このスペースでは、カードボードやスポンジ、ストロー、パイプクリーナーなどさまざまなクラフト素材が自由に使えます。お題に沿って考え、つくり、テストし、改善することが目的で、一連の流れを体験できるようにデザインされています。
わたしたちが訪れた時期(2022年3月28日〜6月20日)は、“Shake it up”というテーマで、お題は“地震がきても崩れない建物をつくろう”というもの。
ただ建物をつくる工作に終始するのではなく、どんな素材が揺れに強い? デザインは? 重たいものを上にのせたら? など、子どもたちに考えさせるヒントがあちらこちらに。アイデアもふくらみます。
建物ができたと思ったら、テストスペースに持っていきます。
手のひらで白いスペースを左右に揺らすことができます。
がたがたと揺らしてみて、自分の建物が崩れ落ちないか、壊れないか、見てみます。
息子の建物は左右に重しをつけたデザインですが、まわりの子どもたちそれぞれの建物がまったく違うので興味深かったです。
つくったものは持って帰ってもいいですし、サンプルとして残していってもいいようです。実際に地震があった場所の建物の写真なども展示されていて、オーストラリアでは馴染みのない地震について知ることができるようになっていました。
さいごに
紹介できたのはSparkLabのほんの一部です。与えられた時間めいっぱいを文字通り“夢中”で息子は過ごしました。久しぶりに、息子の集中力を見た気がします。
成長とともに、「もっと、こうしてほしいな〜」「なんで、そうするかな〜?」など、思うところは日々あります。「押しつけるのも、こちらからすべて道筋を与えるのもよくないな〜」と葛藤しつつも、あれこれ注意したり声をかけたりして子育てしているわけですが、わたしたちが一番大切にしている「考えてみる」ことを、ここでは息子が実践していました。物事を自分で考えて行動してけるように、口出しをぐっとこらえて、もっと見守らないとな〜などぼんやり考えてみたり。
イースター前ということで、Queensland Museumでは“Eggsplore the museum”という家族向けのトレイル(ヒントをもとに考え、館内を探しまわり、完成させるアクティビティ)もできました。こういうのも、以前なら途中で飽きてしまって、や〜めた! となるのですが、最後まで完成させたのでびっくり。
ゴールドコーストの自宅を午前8時ごろに出発して、帰ってきたのは午後4時前でした(電車を利用しました)。クタクタに疲れましたが、ゲームやスクリーンから離れて息子は充実した時間を過ごせました。SparkLab、おすすめです! もっと近かったら、年間パスを買うのにな。